こんにちは。歯科医師の金子です。
最近では、訪問診療の普及に伴い、「口腔ケア」という言葉を耳にされることが
多くなってきたと思います。
医療用の単語には、必ず定義というものがあります。
「口腔ケア」は狭義では、歯ブラシなどの清掃器具を用いてお口の中を清掃することを
意味しますが、広義では、お口の中の清掃など「衛生」だけでなく、虫歯の治療や入れ歯を入れて、ちゃんと咬めるようにすることなど、お口の「機能」や、食べ物を飲み込む訓練などの「リハビリテーション」、これら3つの維持・向上を図ることを指します。
「口腔ケアを行うことは、誤嚥性肺炎などの全身疾患の予防に効果がある」
これはもはや周知の事実として医療従事者以外の方々にも認知されてきています。
ではここでいう「口腔ケア」は上記した狭義、広義どちらを指しているのでしょうか?
「口腔ケア」という言葉が普及し、独り歩きしているような気もします。
聞き手によって解釈が異なる可能性があることは良くないことです。
当たり前のことですが、その言葉の意味をきちんと理解しているかどうか、
これはとても大切なことです。